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銀魂
Happy Hello ween!(土銀土)

「菓子寄越せ」

そいつは戸を開けるなり、そう言った。
「…は?」




Happy Hello ween!

 
土銀vr.
「だから、菓子寄越せ」
「いや、お前甘いもの苦手だろ?」

銀時は頭に角が生え、腰からは尾が生えた恋人を呆然と見つめた。
因みに顔には入念に化粧が施され口からは小さな作り物の牙が覗いている。

「あ?まさかテメェ、菓子用意してねぇのか…?」
片手で長い尾を弄びながら土方は不機嫌にそう言った。

「してるわけねぇだろ。俺が言う筈だったんだから」
銀時の言葉を聞くとそれまではつまらなさそうに尾を弄っていた右手がピタリと止まる。

「じゃあ…悪戯しなきゃいけねぇなぁ?」
そして楽しそうに唇を歪めると銀時の肩に手を回した。

「ちょっとちょっとちょっとぉぉぉ!?」
銀時は慌てその手を払う。
「新八も神楽もいるからね。此処は万事屋だからね。屯所でもホテルでもないからね!?」

「んなこたァ、見りゃわかる」
土方はふてぶてしい態度でそう言うと制止も聞かずに居間へ足を向けた。

「あ、土方さんいらっしゃい」
「いらっしゃいネ」
子供達はテレビから一瞬も視線を外すことなく言う。

そんな2人におう、と返すと土方はソファーにドカリと腰を下ろした。
「えーっと…取り敢えず何か飲む?」
そんな土方に戸惑いつつも飲み物を取るため銀時は台所へ向かおうとしたが、土方に腕を引かれソファーに倒れ込んでしまった。

「…何?」
不敵な笑みを浮かべ見下ろしてくる恋人に冷や汗を流す。
「悪戯、させてくれんだろ?」

気がつけば子供二人は居間から消えていた。



銀土vr.
「だからぁ、菓子寄越せって」
顔に施した化粧のせいで別人に見える恋人は長いコートの裾を翻し、笑顔でそう言ってのけた。

「…何で」
突然部屋を訪れたと思うと開口一番これはないだろう。

「何でって、おま…ッ。今日が何の日かわかんねぇのか!?」
暫く頭を悩ますがさっぱりわからない。
今日は月末の…しかも週末でかなり忙しい日だ。

「テメェの誕生日は終わったしな…。悪ィ。わからねぇわ」
両手を肩まで挙げてわからないことをアピールすると、土方は机に向き直り半分程片付けた書類と再度格闘を始める。

「あり得ねぇ…」
銀時は呆れたように息を吐いたが、暫くするとニヤリと笑みを浮かべた。
「じゃあ仕方ねぇ…しっかり悪戯させてもらおうか…」

足音を立てずに土方の背後まで忍び寄ると勢いよく肩を引き、畳に仰向けに転がした。
「なんだよッ」
くわえていた煙草は没収して灰皿に押し付ける。

「では、お菓子をくれない悪い子に悪戯しちゃうぞ」
嬉々として土方に跨がり両手を合わせた。
「いただきます」

押さえ付けられている土方が抵抗しているが構わず首筋に噛み付いた。
「ッおい!」
「来年はお菓子ちゃんと用意してね」

ま、なかったら悪戯するからいいけど。と銀時が小さく呟いた台詞は土方の耳には入らなかった。


09,11,01
間に合わなかったハロウィン小説。
土銀vrと銀土vrを書いてみました。
初企画。


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