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銀魂
真紅(土高)
俺たちが出逢ったのはきっと必然。
俺でなくてもこの役はこなせるかもしれないが、俺でなければコイツは捕まえられない。


真紅



切れ長の隻眼が俺を見つめる。
「…テメェ、趣味悪ィぜ」
「そうか。ありがとよ」
俺がそういうとその隻眼は一層鋭くなった。
「俺を…殺す気かァ?」
「俺に殺されてぇのか?」
質問に質問で返すなんて益々趣味悪ィ…
そいつはそう吐き捨てると喉元に押し付けられている俺の刀を握りしめた。

切れた掌からよく研がれている刀を伝って地面に真紅の染みができた。
俺は予想外の流血に少し動揺する。

その隙をアイツが見逃すはずもなく刀を蹴りあげて大きく後ろに飛び退いた。
「…ッ」
掌の傷が痛むのか端正な顔が痛みに歪む。
…ゾクリ

あぁ。
もっと見てェ。
その顔を、表情を、もっともっと…。

「俺はまだ捕まらねェ。残念だったなァ?忠実な幕府の犬さんよォ…」
立ち上がるとニヤリと笑い、地面にできた染みのように真っ赤で派手な着流しを軽く叩く。

「また鬼ごっこしようや」

鬼は俺。
永遠に。

アイツを捕まえるのは、俺。

切れてもいない俺の右手が何故か甘く痺れた。
地面の染みはもう真紅ではなくなっていたが、
「待ってるぜェ」

俺の手の中には真紅に染まったビー玉が1つ握られていた。



このサイトの弟一子です。
土高シリアス。シリアス大好きです←


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