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one








「ここです!」




そう言って爛々と獄寺君が指したのは、これまた小さな可愛らしい扉。だけどさっきのと決定的に違うのは、




「ここ…被服室だ」





被服室に備えられた扉の隅に付いた小さな扉(今の私にとっては普通のサイズだけど…)を開け、私達はその中に入った。
その、途端。






「お!お帰り、ハリー」





そんな元気な、私にとってはまたもや聞き覚えのある声が何処からか降ってきた。





「やまっ………、」





言いかけて、私は止めた。…この調子でいくと、多分あの人もそっくりさんで「誰だお前?」って言われる可能性が高いから。





「(……山本君、なんだけどな…声と顔は…)」


「その呼び方は止めろっつってんだろうが!!!俺はハリネズミだ!!」

「(あ、ハリネズミなんだ…)」

「いーじゃねぇか!それより早く上って来て手伝ってくんね?俺一人じゃ終わんねー」

「けっ!!この被服馬鹿が…」

「(やっぱり野球馬鹿じゃないんだ…)」




文句を言いながらも、獄寺君………じゃなかった、ハリーは梯を上って巨大な机の上に上がっていく。途中で私に向かって「こちらへどうぞ!!」なんて言ったので、私もハンカチを解けないようにきつく結んで慌ててその後に続いた。








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