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three







「あ、あのっ、ちょ!!!だから私はアリスじゃないしっていうか離れて!!」


「いや、猫が言うんだったら間違いないっス!!!よかった、俺絶対会えないと思ってた…!」

「(あれ、離れてスルー?)」

「あいつからは何度も話聞いてたけどまだ会った事なかったし…本当、もう会えないかもって……夢にまでみる程、会いたくて……!」

「………」





私を抱きしめながら言う獄寺君の話を聞いて分かったのは、とりあえずチェシャ猫さんは正しい事を言うって事と、私と人違いされてる「アリス」って子は皆に愛されてるって事。
雲雀さんにも獄寺君にも愛されるなんて凄い話だ。





「アリス!!!」

「はいっ!!?」




突然獄寺君が叫んで、私は肩をびくりと震わせて彼を見た。




「よかったら俺らの店、来ませんか?」


「…店?」

「ハイ!!!気に食わないけどアイツもアリスに会いたいって言ってましたし、何よりアリスに服を着せないと!!!」

「(服!!?)」




獄寺君の言う「アイツ」も気になったけど、何より今のハンカチ一枚という格好を何とかしたかった私にとっては「服」という単語の方が耳に残った。




「あ……でも私、お金持ってないし…」

「アリスから金なんて取りませんよ!!そんなもん要りませんから、ね!!少しだけ!!」

「………」




ここまで言ってくれてるのに、行かないのも悪い気がする。別に時間がないって訳でもない、し。





「じゃあ……少しだけ」




そう言うと彼は本当に飛び上がるんじゃないかと思うくらい喜んで、じゃあ行きましょう!!なんて言ってよじよじと階段を下り始めた。





「(…まぁ、服貰えるみたいだし…獄寺君なら変な事もしないだろうし、いっか!)」




その時服が貰える嬉しさと、知ってる人(のそっくりさん)に会えた安堵感で一杯だった私は、全く気付く事が出来なかった。







クク





そんな不気味な笑い声が、何処からか聞こえた事に。








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