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10月20日
曙覧が学校に行ったあと、撫子からある話しをされた。



俺の結婚の話し。

相手はアメリカ育ちの日系人の年上の女。

いわゆる、石油成金の娘だそうだ。



この時になって俺は初めて、自分の生い立ちを知る事になる。

何故、オーストラリアに産まれたのか。

何故、両親と兄が殺害されたのか。

何故、アメリカの金持ちが俺に求婚するのか。

何故、撫子が世間の注目を浴びる仕事をしているのか。



俺は、イギリスの旧家の生まれ。

財産こそ大した事ないが、名前を出せば出来ない事はないと言う。

姉は、母親が本国を遠く離れ隠密に出産した俺の存在を隠すために自分が世間に出たと言う。



だから俺、龍"二"なんだ。

次男だったんだ。

兄がいた事すら知らなかった。



「結婚すれば莫大なお金が動かせるわ。結婚しないでも、1度アメリカに渡りなさい。

遺伝子を、保存なさい。

いつか貴方の子供が見つかった時、証明するために。またその子供を守るためにもお金は必要よ。」

頭の中が、ぐちゃぐちゃに掻き乱された。

突飛なこの話しを必死につなぎ合わせた。

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あきゅろす。
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