4月29日
夕方、キョーコと駅で待ち合わせした。
「部長が面接したいって。今から行こう。」
昨夜は一晩中この街をうろついていた。
『眠らない街』や『不夜城』と呼ばれる由縁を体感した。
時間に関係なく、人の流れは決して途絶えない。
キョーコの働く店は、雑居ビルの中にある小さな店だった。
俺を面接した男性は、
「身分証もないのか。訳アリかい?」
と、色々探りを入れて来る。
悪いけど、こういう大人を言いくるめるのは得意だ。
「真面目そうだし、キョーコちゃんの紹介だからね。いつから来れるの?」
今からでも、と答え、すぐキッチンの仕事を教わる事になった。
慣れたらボーイもやってね、と言われた。
なんだそれ。まあいいや、何でも。
あ、そういや今日って緑の日だ。
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