4月27日
適当に歩き回り、適当に電車を乗り継ぎ、いつの間にか俺は新宿にいた。
足早に目の前を行き交う、たくさんの人間。
これだけ人間がいるのに、たった一人の女が見つからない。
いや、反対か。
これだけ余計な人間がいるから、たった一人が見つからないんだ。
コイツら、皆殺しにしてやろうか。
俺はイカれてる。
別に壊された訳じゃない。
俺の、本性。
ふと視界の中、彼女と同じストレートロングの女が飛び込んで来た。
「ユカ!?」
俺はその女の肩を強く掴んだ。
「…え?」
振り返ったその女は、彼女とは似ても似つかない。
すいません、人を探してたんで。と、謝った。
「ボク可愛い顔してるわね。どこのお店の子?」
は?店って?何言ってんだ、この女。
答えられずにいたら、俺の腹が鳴った。
「あら、お腹空いてるの?じゃあお姉さんがご馳走してあげる!」
女は『キョーコ』と名乗った。
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