曙覧&一弥
「お前、涙はともかく鼻水は拭きなさいよ。」
アッケは笑いながら私にティッシュをくれた。
「だって…だってぇ…。」
彼の『存在した証拠』が、私の胸を締め付ける。
「アイツのこった。ダラダラ愚痴とか負の文章か、女の事しか書いてねェんじゃね?」
そんな事ない!…と、思う。
「龍二が日記付けてたには、訳があんだ。」
え?
「俺ら中2ん時にな、他校の生徒と乱闘になってサ。アイツは強ェもんだから、結構ボコボコにしちまったんだよ。」
時代は違って、えれェおっかねー先生がいてな。
あ、関口っつー先生だったんだけど。葬式にも来てたよ。
今だったら『児童虐待』とかって騒がれるかもなァ。竹刀で、俺ら超ぶったたかれて。
んで、
「反省してんなら卒業まで日記でもつけてみろ。その時、先生はお前らを見直すよ。じゃなきゃ、ただのクズだな。」
って、言いやがってょ。
当時は腹立ってしょうがなかった。
「龍二、かなりの負けず嫌いだったからサ。そんでずっと日記書いてたんだろ。」
「アッケも書いてた?」
「てか、現在進行形。ここ数年のはブログだけどね。」
「え、見たい見たい!」
「どぉしよっかなァ〜。」
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