驚愕
紹介したいから、一緒に来て欲しい。
そう言われ、私たちは4人でアッケの実家へ向かった。
到着し、車を下りる直前…私は約束させられた。
『普通に、振る舞えよ』
って。
弥生さん本人に会うまで、全く意味が分からなかった。
「よぅ!久し振りだぁな、弥生ちゃん。」
「うん、お久し振り。元気だった?」
極めてごく普通に、挨拶を交わすふたり。
私は、彼女が美容室に入って来た最初の一瞬しか…視線を向けれなかった。
すぐ、俯いた。
「ん、俺の嫁。ヒトミ。」
アッケが私を紹介する。
「え、あ…初めまして。ヒトミです。」
弥生さんの瞳より、少し下まで視線を上げる。
「こんにちは、今日はわざわざありがとうございます。」
彼女は丁寧に会釈してくれた。
そして、私の心臓を鷲掴みにする様な事を言った。
「こんな姿で、驚かせてごめんね。
私、ガンなんです。」
ゆっくり見上げた彼女の瞳は、とても綺麗だった。
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