お誘い宣言 「悪ィ、起きて。」 そっと肩を揺すられ、私はぼんやり重いまぶたを何とかこじ開けた。 「…ん?」 「俺、仕事行かな。メシは食わせた、風呂は入れてねェよ。」 「…。えッ!?」 飛び起きた私の額は、覗き込んでいたアッケの顎に直撃してしまった。 「…ッたーい!!ご、ゴメン!大丈夫!?」 「いや、お前がだよ!」 アッケは私のおでこに手をあてて、撫でてくれた。 反対の手で自分の顎を擦りながら「ヤベ、行くな。」と言い、彼は寝室を出る。 私は急いで追いかけた。 リビングでは、ふたりともDVDに夢中。 「メシ、お前の分は冷蔵庫に入ってっから。」 出勤前の旦那にご飯まで作らせ眠りこけてるなんて、私は一体何やってるんだろ…。 「いーのいーの!寝かせときゃ、イイコトあっからな。」 「え?」 「そんだけ今寝とけば、俺が帰って来るまで起きてられんよな?」 「え、あ、うん…。」 「待ってな。後で思っきり狂わせてやる。」 チュっと音を立てて私の頬にキスをし、彼は夜の街へと出かけて行った。 キャー。 [前へ][次へ] |