死出の旅
私はガッチガチに固まりながら、車のロックを開けた。
子供たちをチャイルドシートに乗せ、運転席に座る。
アッケのアストロは無理に決まってるから、自分の軽の。
「え、あ、待って。」
「あ?」
助手席に座ろうとした彼に声をかける。
「見てて。」
「…はァ?」
ドアに手をかけたまま、アッケは不思議そうな顔。
「運行前点検、…しなきゃ。」
アッケはへなへなと、車に乗り込んだ。
そして私を見据え
「実際やるヤツ初めてだ。」
と、なんだか呆れ顔。
冷静に考えてみたら、誰もそんな事してないね…。
うん…。
行き先は、近所のスーパー。
「…コレ、歩いて行った方が良くない!?」
「泣き言ほざくな、早よ行け。」
教官より厳しい〜!!
発進前から手に嫌な汗をかき、エンジンをかけるとそれをジーンズで拭った。
「よよよーし、行くぞー…。」
「あの世にか?」
アッケは突っ込みを期待してたっぽいが、私には会話する余裕なんかないよ!!
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