「岩」登り?
「さて。」
アッケは髪を束ね、私に用意させた軍手や飲み物の入ったリュックを手にする。
「3時間くらいでしたっけ?」
「あァ。そんなモンだぁな。」
「なぁに?」
私はふたりの会話に割って入る。
「俺、『山登り』して来んゎ。」
ふぅん…、登れるんだ?
「悪ィけど待っててな。チビっこにゃ無理だから〜。」
私の頭をぽんぽんと叩く彼に
「また明後日、筋肉痛になるよ。」
って、言っといた。
私と聖菜ちゃんは少し歩いて、エアーズロックを後ろに子供たちを遊ばせる。
何もない大地。
私は時折吹き付ける強い風に煽られながら、指差した。
「アレ、なぁに?」
エアーズロックよりかは小振りな、岩がある。
「あれはマウント・オルガ。小さい岩がたくさん集まってるんだって。」
マウント・オルガか…。
ん?
マウントって、やっぱ山なんじゃん。
「タカさん戻って来たら連れてってくれると思うよ。」
大小様々な大きさの岩が集まった、マウント・オルガ。
とても不思議な形をしている。
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