私たち、半分こ 「手作りキャンディーだって〜。」 聖菜ちゃんが指差す方向には、可愛らしいお店。 「行ってみよ!」 別にお目当ても何もない私は、バギーを押す彼女にくっついて歩くだけ。 「はい、試食していいって。」 手渡された作りたてのキャンディーは、暖かかった。 尊命、アメ大好きなんだよね。 虫歯が心配だからと頻繁には与えないそれを、私は1袋買った。 メルボルンに比べ、シドニーはオープンカフェが多いように感じる。 フレンチテイストあふれる中庭のあるカフェに入り、私はアイスクリームと生クリームたっぷりのアイスド・コーヒーを注文した。 他のみんなは軽食も一緒に。 神威のケーキをひと口もらったが、甘さ控えめで美味しかった。 夕方になり、ハーバー・ウォークを楽しんだ。 翔クンもバギーから下り、私たちは彼のペースで歩く。 シティとノース地区を結ぶ、巨大なハーバーブリッジ。 心地よい風と美しいシドニー湾。 やがて日が暮れ、ぽつぽつとライトが点灯し出す。 『ハーバーライト』 その言葉がぴったりだ。 昼は空と緑が彩る、穏やかな街。 夜はライトが輝く、お洒落な街。 家族揃って見たかった。 オペラハウスを望みながらの、私の正直な気持ち。 [前へ][次へ] |