幼少の彼を知る人
タクシーでホテルに戻るなり、アッケは玄関に倒れ込んだ。
「うわっ、タカさんどうしたの!?」
「ただの飲み過ぎ〜。地元の人と、ハイペースでおごり合いしてたから〜。」
私は彼をまたいで部屋に入り、聖菜ちゃんにお礼を言った。
「もう翔クン熟睡だし、こっちで見てるよ。たまにはひとりで広々寝たら?」
「いいの?普段シングルで超小さくなって寝ててさ〜。」
「分かる分かる!しかも子供って寝相悪いんだよね。」
ふたりでソファに座り、開けてあったスナック菓子をつまんだ。
「何コレ、めっちゃ固い!」
「あはは、そう。それ美味しくないよね、やたらしょっぱいし。」
聖菜ちゃんが、スーパーで買ったものだった。
「ブライトンって、高級住宅街なんだって。家族持ちの日本人が多く住んでるみたいだよ。」
アッケがパブで仕入れた情報を伝えた。
「…ねぇ良く考えてみたらさ、龍二さんて誰とオーストラリアに住んでたのかな?」
「え?」
確かにそうだ…。
「日本ではお祖母さん方の親戚の家にいたって聞いたけど…。」
祖父はイギリス人。そしてご両親はお兄さんとフランスに住んでいた。
やっぱり、龍二サンて謎!!
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