街歩き 聖菜ちゃんとふたりホテルを出て、メルボルンの街を歩く事に。 何だか到着してからバタバタしていたから、やっと実感がわいて来た。 「空気が違うね〜。」 私は空港に着いた時の様に、きょろきょろしながら歩いていた。 「ね、聖菜ちゃん。ドコ行くの?」 「分かんな〜い。適当!」 …。 ハイ?? 「メルボルンの中心て、1q×2qくらいのコンパクトな街なんだ。適当に歩き回ったって、すぐだよ。」 不信の表情を浮かべた私に対して、彼女は笑顔だった。 「詳しいんだね〜。」 アッケはそんな事言ってなかった。 さっきだって、歩くだけなら難しくない距離をタクシーで移動してたし。 「多少はね、調べたから。ただブライトンについては、ほとんど分からなかった。」 ブライトン。 龍二サンが生まれた町だ。 「観光地でも何でもない、普通の住宅地みたい。 日本で売ってるガイドブックなんかに載ってる訳ないよね。」 私たちはホテル前の「Bouke St.」と書かれた通りから一歩入り、カフェやショップが軒を連ねる路地に入る。 [前へ][次へ] |