ご迷惑おかけします
搭乗時刻が迫って来た。
私たちは、そろそろゲートに向かう事に。
手荷物検査と簡単なボディチェックを受け、いよいよオーストラリア行きの飛行機に乗り込む。
まだ良く理解していない翔クンは楽しそうにしていたが、神威と尊命は大合唱で大泣き!
「大丈夫、大丈夫だよ!パパもママもいるんじゃん!?」
励ましたりおもちゃで気をそらそうと懸命に努力を重ねたが、結局ふたりが泣き止む事はなかった。
「いや、スンマセン。お騒がせして…。」
アッケは側のシートの人に謝って回っている。
搭乗員やパイロットからの挨拶があり、シートベルトや救命用具の説明があった。
もう間もなく、離陸を迎える。
嫌がり更に声のトーンを上げる子供たちを無理矢理シートベルトに固定し、その時を待った。
「お前ら、車は大好きじゃねェかよ。飛行機だってなぁ、離陸すんまでは車なんだよ。車!
車輪で走ってんだから!」
アッケは訳の分からない論理で、子供たちを黙らせようとしていた。
それは徒労に終わり、代わりに私が笑ってあげた。
「ッせーな、お前が笑ってどうすんょ?」
彼は苦笑いしている。
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