策略家
「…へぇッ?」
聖菜ちゃんは私に、思っきり気の抜けたような言葉を言った。
「宝くじでも、当たった?」
私は爆笑する。
「まっさかぁ〜!
そしたらアッケ、真っ先にバイクでも買うんじゃん!?」
「え…、だって!
オーストラリア!?私と翔もって!?」
笑顔でコクコク頷く。
「いや、普通にいくらかかるの!?無理だよ、高いし!!」
「だから、アッケがほとんど負担するってば。
これでも頑張って貯金したんだよ〜。…って、まだ少し目標には足りてないケド。」
割りと長めの滞在予定。
向こうでの生活費は、少し出して欲しいと言う提案。
そして仕事復帰していた聖菜ちゃんの、都合の相談。
「全然急がなくていいからね。産休直後で、休み取りにくいだろうからって。」
「まぁ…、それは会社に話してみないと何とも…。」
「いや…てか、タカさんに悪いし!無理、行けないよ!!」
聖菜ちゃんは、横に首を振る。
「『気にすんな、趣味みてェなモンだから。』
って、言っとけ言われてる。」
「それにしたって…えぇ〜!?無理だよ〜!」
彼女は彼女で、すごく気を遣う人。
けど、こっちには切り札があるんだもんね♪
[次へ]
無料HPエムペ!