目撃証言
「は?え!?ちょっ…、大丈夫!?
誰に!!?」
…だ、誰にって!?
「警察…!じゃなくて、病院!?」
彼女の慌て振りを見て、申し訳ないが笑ってしまった。
「え、何、なんで!?」
「大丈夫。大丈夫だよ、私。」
私の言葉とは反対に、彼女の表情はますます険しくなった。
「そんな…まさか、だって…。
タカさん…が?」
「…。
うん…。」
私はひと口、オレンジジュースを飲んだ。
「ねぇ…、ヒトミちゃん。話し聞ける…?」
「え?」
私はグラスから彼女に視線をうつしたが、彼女はこちらを見てはいなかった。
腕に翔クンを抱き、ついてないテレビの画面を見ている。
「こないだ…、翔連れて実家に帰ったんだけど。」
翔クンが産まれてから、聖菜ちゃんは家族と仲直りしていた。
「自分の子供より孫は可愛いって本当だ」と母親に言われたと、以前話してくれた。
「実家の近くでタカさん見たよ。
こんなトコでまさかって、思ってた…。」
聖菜ちゃんの実家は、23区外にある。
「女子高生と…、腕組んで歩いてたよ…。」
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