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自分だけのため
乾サンは私たちの採寸を始める。
尊命は思っていたよりおとなしく、すんなり終わった。

「考えてみりゃ出来上がる頃には、この子らデカくなってんじゃねー!?」

「それを計算に入れて作んのが、お前の仕事だべょ?

またサイズ合わなかったら、遠慮なくぶっ飛ばすかんな!」

「…何スか、『また』って。」


アッケは乾サンに、先週の経緯を話した。


「だからってタカさん、極端過ぎやしません!?もっと大手のレンタル屋なら、小さいサイズあるっしょ?」

「もう懲りたぁ〜。なまじっか金出すんなら、完璧じゃないと嫌だぁ〜。」

アッケは乾サンの話しを聞き流す。

「こっちだってワンオフですからね。金、大してまけらんないスよ?」

「分ぁってるっつの。そのつもりで、限界まで仕事してま〜し〜た〜。」

比喩でも何でもなく、アッケは本当に限界まで仕事してたよね…。






「親馬鹿も大概にした方がいっスよ。」

その一言にアッケは立ち上がり、乾サンの後頭部を叩いた。

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あきゅろす。
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