勝手に病名
ガタン、と、リビングと廊下を繋ぐドアが風で揺れた。
玄関が開いたからだ。
「あっ、尊命!?」
食事中にも関わらず椅子から飛び降り、一生懸命背伸びしてそのドアを開けようとしている。
「パパ!パ〜パ〜!!」
「おっ、ただいま〜。」
「おかえり、ちょっと待っててね!」
私は神威がひっくり返したテーブルのお茶を拭いていた。
ふざけていた訳ではなく、飲もうとしてこぼしたのだから仕方ない。
「さ、むいむい。先に着替えようか、冷たいでしょ。」
そしたらアッケのご飯作らなきゃ。
着替えさせて戻ると、アッケは自分でキッチンに立っていた。
「え、今やるよ!?」
「いーよいーよ、食わせちゃいな。」
子供たちは、まだ完全にはひとりでご飯は食べれない。
「でも、ダメ!座って、くつろいでて!!
今日、超痛かったんだから〜!」
「はァ、何が?つーか、痛かったって大丈夫か?」
私の話しを聞いたアッケは笑った。
そして『びっくり腰』って命名した。
「いや、『び』みょうな、ぎ『っくり腰』だから。」
「何それ〜?」
って、私も笑った。
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