無力
「ん、何コレ?」
あ!いっけない、伝えてなかった!!
アッケは無言で、その葉書を見つめている。
そしてパサっと無造作に、サイドボードの上に置いた。
「…あれからすぐ、か。」
そう言い残し、タバコを持ってベランダへと向かう。
私はこの5分くらいの時間で、頭をフル回転させた。
アーヤサンの事を話したら、入れ知恵とか余計な事をとか、そう言われるに決まってる。
結局、私が何か言っても無駄なんじゃないだろうか…。
彼自身が限界を感じ、転職を意識してくれなきゃ。
果たしてその時、体はどうなっているのだろう?
もし、歩けなくなっていたら…!?
こんな不景気な中、ただでさえ再就職先が見つからないって私ですら分かっている。
正直、年齢的にもギリギリじゃないかな。
でも人生そのものにも等しい仕事を、簡単には奪えない。
仕事と、家族。
天秤にもかけれないし、どちらも必要不可欠。
負担を減らすと言っても私にやれる事なんか、限られている。
力に…なりたいよ。
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