迫る期限
アッケの、CTやMIRでの精密検査の結果。
医師の診断は最初と変わらず、
「保存的治療を3〜4ヵ月。
そして再発するようなら、手術ですね。その場合入院期間は約1ヵ月になります。」
「俺、いつ退院出来るんスか?」
「いつでも構いませんよ、通院はして頂きますが。」
「んじゃ、明日っから仕事行くのは可能なワケで?」
医師は、レントゲン写真を眺めながら言った。
「保存的治療の説明、致しましたよね?」
「…まァ。」
アッケは気まずそうに、視線をそらすが…
「俺、嫁も子供もいるんスけど。3ヵ月も働かないワケにゃ、いきませんよ。」
呆れ顔で医師に食い下がる。
そして医師には、更に呆れ顔だ。
「大の男のあなたが、倒れるぐらいの痛みだったでしょう?
甘く考えてると、歩けなくなりますよ。」
私はただ、黙って聞いていた。
「脅しなんか、聞く気はない。」
は…?何言ってるの!?
「だったら今すぐ手術して下さい。1ヵ月ぐれェなら何とかなるし、間に合う!」
「間に合う?」
医師は言葉にして、私は心の中で、聞き返す。
「娘の3歳のお祝いなんだ。
動けません、金もありません。俺ァそんな父親にゃなりたかねェ。」
彼は悔しそうに、顔を歪めた。
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