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「オイ、曙覧!起きろ、行くぞ。」

日曜日。グダグダと惰眠を貪っていたオレは、アニキに肩を強く揺さ振られた。

「…は?なに?」

「いーから起きろって!さっさと着替えろ。」

両手を上げて大きなアクビをしてたら、顔面めがけてTシャツを投げつけられた。



「なんだってんだ。ドコ行くんだよ?」

急かされるままチャリの後ろに乗る。

聞けば、隣の区の中学校に行くらしい。

「今日からなんだよ、予選。」

「おォ。」

ウチのバスケ部の試合か。



「何だよ、もう始まってんじゃねェか。オメーがノロノロしてっからだぞ。」

「んだったら昨夜のうちに言っとけや!」

叩き起こされて連れて来られて、オレだって朝メシ食ってねェんだぞ。

オレとアニキは体育館の横にあるドアの外から、様子を伺うように遠慮がちに中を覗いた。

「お、レイちゃんが3番で龍二2番か。」

「あ?龍二、10番じゃん。」

「違ェよ、ユニフォームの背番号じゃねェ。」

バスケはポジションを番号で呼ぶらしく、龍二は『シューティングガード(SG/2番)』で、レイは『スモールフォワード(SF/3番)』との事だった。

「2番で有名なのはマイケル・ジョーダンだな。」

「へー。」

バスケに一切興味のないオレは聞き流した。

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