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「おい。このシチュエーションって、もしかして。」
「やっぱ!?」
オレ達は野次馬根性丸出しで、校舎の陰から縦一列に顔を少し覗かせていた。
「つか、どうする?」
「どうするもなんも、出るに出れねェだろうがよ…。」
オレの言葉に全員が無言でうなずいた。
「なんかヤバい、俺めっちゃドキドキして来た。」
「アホか。誰もテメーにゃ告白しねェから安心しろ。」
すかさずそうツッコミを入れる。そしてその後はもう誰もしゃべらず、静かに見守っていた。
しかし待てど暮らせど、相手は現れない。
「遅いね。」
「ねー。」
それは彼女達も同じように感じているらしかった。
「来てくれないのかな…。」
真ん中の女がそうため息をつく。
「大丈夫だって、絶対来てくれるよ。みんな優しいって言ってるじゃん、浜荻センパイ。」
多分オレの心臓は一瞬、止まった。
「ちょちょちょ、ヤベェってコレ、超ヤベェって。」
オレは下のヤツの頭をバシバシ叩いた。
「マジか?浜荻って、浜荻 龍二!?」
しばらくすると、明らかに面倒くさそうな歩調で草を踏み分ける音が近付いて来た。
「あ…っ。センパイ、いきなり呼び出してすみません!」
「いや、別に。」
不安そうに謝る彼女達とは対照的に、龍二はさして興味もなさそうな表情をしていた。
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