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「失礼しまーす。」

ガラガラと扉を開けた龍二に続いて、夕日の射す室内を見渡した。

「いねェじゃん。」

「何だ、高砂。関口先生ならまだ職員会議だぞ。」

「違ェよ、今日は呼び出し食らってねェっつーの!」

そうか、と笑っている担任に、こっちも苦笑いだ。

オレは担任に事情を話し、バスケ部の顧問の先生に借りたバス代を渡した。

「どうでもいいけどお前達、珍しい組み合わせだな。」

職員室を出ようとしたオレ達に、担任はそう言った。

「そうですか?」

龍二は愛想笑いを残し、先に出て行った。



「なァ。お前さ、」

「ん?」

クツを履き変えて昇降口を出ると、夕日はもうほとんど沈んでいた。

「いや、なんでもねェ。」

もしかしたら避けられてるとかって思ってたの、完全にオレの被害妄想…?



「あー。そうだオレ、明日英語で当てられんだよ。ちょっと教えてくれ。」

「何言ってんだよ。曙覧のが頭良いじゃねーか。」

「英語はお前のが得意だろ。」

「別に、得意とかそういうんじゃないけど。」

まァな、そりゃそーだ。『日常生活』だったんだから、得意もクソもねェか。

「つーかお前、英語はやっぱ毎回満点なワケ?」

「な訳ねーだろ。全然スペル分かんねーもん、俺。」

そっか。3歳じゃ文字を書けるハズがない。

言われて妙に納得した。

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