それぞれの1番
「へぇ〜、そうなんだ?龍二サンとかのが、付き合い長いんじゃん?」
「あの人は本音を晒さないし、オレもそう。
表面上は、まぁ仲いいよ。お互い、不可侵な距離が理解し合えてるから。」
だから今日まで上手く付き合えて来たんだ、と言った。
「深入りされちゃうの、嫌いなんだ?」
「相手に、よる。」
「ふぅ〜ん…?」
「アンタなら、良かった。」
「…?
私?」
車は、マンションの側に到着した。
「けど、アンタの相手はオレじゃない。
タカさんだから。」
いまいち理解出来なくて、戸惑った。
「オレ、好きだったよ。アンタの事。
だから、冷たい事言ったりした。本心だったからね。」
「……私、」「何も、言わなくていい。」
早く帰りな、と言って、彼は笑顔で私に手を振った。
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