らしくないヨ
「…お父さんが?」
「そうよ。イヤだ、知らなかったの?」
「知らないよ!初めて聞いた!!
へぇ〜、お父さんて偉い人だったんだぁ。
『代表取締役』って、『部長』とか『課長』みたいなもんだと思ってた〜。」
「へぇ、じゃないよ。へぇじゃ!」
アッケに突っ込まれた。
「俺、胃が痛くなって来た…。」
「大丈夫よ、そんな緊張しないで。
変わった人ですから。」
ホラね。
「いや〜、ゴメンゴメン!遅くなりまして。」
父が来た。
「お父さん!!」
私は父に飛びついた。
「久し振りだな、一弥!元気だったか〜?デカくなったなぁ!!」
父は、私の頭を撫でぐり回す。
「止めてよぅ。髪、乱れる〜。」
「あっはっは!デカくなってはないか。成長、止まっちゃったね〜!!」
私はアッケを紹介しようと振り向いたが、彼はうずくまり母が心配そうにテーブルの向こうから覗いている。
「どしたの?」
「いや、ちょっ…。足ぶっけた…。」
「曙覧さん、焦り過ぎよ。落ち着いて下さい。」
母は笑っていた。
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