また、増えた
「え、そうなの?結構近いんじゃん?」
「近いも何も、目と鼻の先。」
「…私、こっち地元じゃないんだモン。」
そうなんだ、とだけ言われ、別に地元がどこかは聞かれなかった。
「学校はどんな感じ?」
と、聖菜ちゃん。
「うん。担任の先生、優しそうな人だった。私の事、差別しないし。
でもね、みんな派手なんだよね〜髪型とか。さすが渋谷ってカンジ!友達出来るかなぁ〜。」
「田舎モンか、アンタ。」
「…そうみたい。」
大丈夫だよ、と龍二サンは笑う。
「俺なんか、隣の家まで車じゃないと行けない様な田舎から出て来たんだから。
生活習慣も全く違って、最初は戸惑ったもんだよ。」
「え?龍二サン、アッケの実家のすぐ側に住んでたって聞いたよ?中学、一緒だったって。」
「うん。その前の話し。」
「どこが地元なの?北海道とか沖縄?」
「ううん。出身は、オーストラリア。」
私達は、わぁわぁ騒いだ。
龍二サンは楽しそうに、
「そういう反応が面白いよね。だから俺、隠し事しとくの好きなんだ〜。」
と、のんびり煙草を吸っていた。
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