デザイナー・ドラッグ
ドラッグ…?
私はビールを渡す手が震えた。
アッケは気にせず煙草をくわえ私からビールを取る。
「あ、そう。お前わざわざベンゾジアゼピンの飲んだんだべ。ハルシオンとか軽い奴いっぱいあったのにねェ。
…アホか!」
ハルシオンなら私でも知っている。確かに有名な睡眠薬だ。
アッケはリビングにあるノートパソコンを手に取る。携帯を肩に挟んでキーを打ち、何かを調べているようだ。
私は横から覗き込んだ。
「ん、出たぜ。
作用持続時間68時間、消失半減期925時間だと。925時間経てば楽になんじゃねェの〜?
知るか。勝手に人の薬を飲む方が悪ィんだ。」
画面から目を離して煙草をふかす。
「はぁ〜?俺〜?
いんや、効かねェよ。そんなんじゃお話しになんねェんだ。」
龍二サンが副作用に苦しんでる強い薬がアッケには効かないの?
「んでサ、それ依存性えっらい強ェから気を付けな。」
そう言いながらノートパソコンを閉じた。
「バッドトリップから抜け出しても鬱が酷くなったりすんだと〜。
死ぬなよ、俺のせいにされたらたまんねェ。」
アッケは笑っているが私は心配で仕方ない。
が、突然、真剣な顔をして
「まァ、その薬じゃまず自殺は出来ねェ。
トブだけだ!…残念だったな、龍二。」
そう、目をふせた。
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