知恵熱
私はまどろみながら、
「…ないよ。大丈夫。」
と言ったが、体はダルかった。
「ホレ、寝れ寝れ。」
布団をかけ直してくれたが、その時入って来た空気に
「寒い…。」
と、思わず言ってしまった。
彼はもう1度私の額に手を当て、
「そんな高そうじゃないみたいだけど。疲れたんだべ。」
そう言い、離れた。
またビールを開けボリュームを下げてテレビをつける。
「寝ないの…?」
「ん、もうちっと。」
「…来て。」
「…。」
「寒いの…。」
しょうがねェな〜、もう。とテレビを消し、腕枕してくれた。
「思ってんより体熱いなァ、大丈夫か?」
「大丈夫…。」
「目、潤んでる。」
「熱っぽいんだモン。」
「…見んなよ、その目で。」
「どうして?」
可愛いから、と私のまぶたに触れ、目を閉じさせる。
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