独占欲
スタッフの人にお礼を言い、デジカメの画像を見る。
「ヤっベ、俺。いい年して、お前より楽しそ…。」
「ちょうど倍くらいの年なのにね〜。」
「うっさいゎ!」
笑い合いながらまた腕を組み、歩き始める。
「お前は、何回目よ?」
アッケはやはり、周りを見渡しながら聞く。
私はちょっと勝ち誇ったように、
「3回目!!」
と言った。
「あそ。」
…なんか、怒ってる?
「ね。『誰と?』って、聞いて。」
「っザケんな。何でわざわざ、んな事聞かされなきゃなんねェの。」
やっぱり男と来たって思ってるみたい。
「小学校低学年の時にね〜、ウチの家族と友達家族とでしょ。あと、中学校のお別れ遠足でしょ〜。
だから今日が、3回目!」
私は笑顔で彼の顔を覗き込んだ。
アッケは右手で自分のヒゲをなぞりながら小声で、
「俺、アホみてェ。」
と笑った。
「アッケでもヤキモチ妬くんだぁ!」
「べぇっつにィ〜。」
なんかちょっと嬉しかった。
私は彼の腕に絡み付くように顔を埋めながら、ニヤついているのを隠す。
バレたら、多分怒るからネ。
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