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産まれた時の姿
私は訳が分からず、顔を上げた。


「龍二、本当は私と同じ色なんだ。目も、髪も。

やっと、生来の姿に戻してあげれた。」

撫子サンが、アッケに頼み染めてもらったと言う。

「アケミは反対していたけどね。だからケンカしてたんだ。」

ふたりが病院で言い争っていた事を、思い出す。

「龍二は、金髪碧眼を嫌っていたから。『最後に嫌がる事してどうすんだ』って。

でも、私は…。

この姿で産まれたんだから、戻してあげたかった…。」




黒いヴェールで、表情は良く分からない。

でも撫子サンは確かに、涙を流していた。

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