珍しく
マイクロバスの前で、撫子サンが待っていた。
「アケミが、いないんだけど。電話も出ない。」
私は側を歩いていた斎場の人に、休憩所の場所を聞いた。
「多分、どっかで寝ちゃってると思う!探して来るね。」
聖菜ちゃんに子供たちを任せ、休憩所に急いだ。
他のお葬式に出席する人たちがごったがえす休憩所の片隅、アッケは椅子から落ちそうになりながら熟睡していた。
「アッケ、起きて!教会行く時間だよ!!」
「…ぁ〜…。」
「お願い、起きて!!」
「…ん。」
「起きてってば!!」
相当、疲れているみたい。
アッケは普段寝起きは悪くないし、ましてこんなトコで寝るなんて…。
聖菜ちゃんから電話が来た。
『か、神威くんが大変な事に〜!!』
後ろでは神威がギャンギャン泣き叫んでいる。
「パパが起きないのっ、ちょっと待ってて〜!」
「…ぁ〜、起きた起きた。起きてますょ〜…。」
アッケはダルそうに、片手を上げる。
「あったま痛ェ〜…。超ねっみィ〜…。」
「頑張ってよ〜、早く教会行かなきゃ!!」
私はアッケの手を無理矢理引っ張り、休憩所を出た。
[次へ]
無料HPエムペ!