美人で、口が悪い
彼女は私と聖菜ちゃんに、英語で挨拶してくれた。
「ここは日本だ。」
アッケは無愛想に、そう言う。
「…あ〜。
…コンバンワ。」
あれ、日本語もしゃべれるのかな?
「あ〜…、てか何年振り?なー、いつ以来よ?」
…。
口調が、アッケにそっくり!
「知るか。軽く、15年ぐらい?」
「だぁな。わたし、こっち好きじゃねーし。」
「…お前はホンっト口悪ィな!それで女かよ!?」
「あたしに日本語教えた奴が、良く言うゎ。知らねーよ。」
そうなんだ!?
撫子サンが8歳、龍二サンが3歳の時にオーストラリアから日本に来たと言う。
家庭教師や学校で教わるより実生活で覚えた日本語の方が多いし、何より役に立つらしい。
「だから、あたしはシノブとアケミに教わったようなもんだよ。」
そして日本で高校を出てアメリカの大学に行き、その後フランス人と結婚して現在はハワイ在住。
トライリンガルだぁ…。
「旦那は?」
「明日の便で来る。」
「しっかしまぁ、最後の最後まで訳分からん奴だったな〜。
自分の弟ながら。」
撫子サンは悲しんでいるより、呆れた感じでそう言った。
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