個々の『幸せ』
アッケも私も、びっくりして言葉が出ない。
「…幸せですよ、龍二さんは。」
聖菜ちゃんにこれだけ、愛されていたから…?
「ううん」と、彼女は首を横に振る。
「やっと、あの女(ヒト)の側に行けたんだから。」
「セーナちゃんは?」
アッケは眉間に皺を寄せて、そう聞いた。
「もちろん、幸せでした。出会えて、一緒に生きれたから。
それだけで…、良かったのに…。」
私は、何も望んではいなかったのに…!!
彼女は、声を張り上げて泣いた。
うまく言えないけど、聖菜ちゃんが泣いてくれて安心した。
さっきみたいに冷静なのは、とても嫌だ…。
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