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引き出す方法
アーヤサンに言われて考え込んだ。

「それを、思い出して。」




「…いや、待って。なんか苦しそうな顔してるけど!?」

アッケは大爆笑。

「お前、難産だったもんなァ〜!」

…なんで分かったの?



「へぇ、何時間かかったの?」

アーヤサンはパシャパシャ撮りながら、私に聞く。

「10分間隔になってから、14時間くらいです。」

「産まれた瞬間、どう思った?」

「正直、『終わったぁあ〜!!』って…。」



アーヤサンは笑いながら、

「子供の顔を見た瞬間は?」

と。






私は言葉には表さなかった。






「オッケ!いい顔くれたわ。最高!!」

…え?

「もういいわよ、お疲れ様。」

え、私どんな顔してたの!?



「それは出来上がってからのお楽しみねっ!」

ハイ…。





「そーいや、筋肉馬鹿は?帰ったんか?」

「…あぁ、紫亘サン?
うん。『こんなすげービル、入るの恐い』って。」


「誰?」

アーヤサンは器材を片づけている。


「俺の兄貴。コイツ送らせたんだ。」

「タカ、あなたもじゃない。」

「はァ?何が。」




「『筋肉馬鹿』。

ぴったりね!!」


「っせーなッ!黙れ、貧乳!!」

カメラのレンズらしき物が飛んで来た。

「ッぶねーな、あにすっだ!」


アーヤサンは私に笑顔で手を振ると、スタジオを出て行った。

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