センス
アーヤサンの会社は都心のオフィス街にあった。
それも超でっかいビル!!
おどおどしながら、受け付けの人に聞いた。
「高砂様ですね、承っております。そちらで少々お待ち下さい。」
しばらくして、ひとりの男性が来た。
「秘書の槙村と申します。」
秘書!社長秘書!?ヒャー。
彼が自ら、スタジオまで案内してくれた。
広い部屋の片隅にアッケがいた。
「ん、おぅ。来たか。」
「見て見て〜!!綺麗?可愛い?」
私はパタパタ彼に近付いた。
しかしアッケは厳しい顔をして、私を舐める様に見ている。
「変?」
「いや…。」
「どうしたの?」
「頭、どうしよっかなって思ってるだけ…。」
アッケは髭を撫でながら、目を細める。
これが『仕事』の顔?
ま、我が母親ながらセンスは悪くねェな。と言いながら、大きい鏡を用意する。
結婚式を挙げた時みたいに、アッケは私にメイクを施し髪をまとめてくれた。
「さァて、飾りどうすっかな〜。」
色とりどりのかんざしみたいな物を、たくさん広げた。
「お前、派手な顔してっかんな。シックにしますか。」
派手な顔?そうなの!?
軽くショック。
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