振袖!!
私は成人式を迎えた。
アッケのお母さんが、振り袖を用意してくれたらしい。
朝から紫亘サンが家まで迎えに来てくれて、アッケの実家に子供たちと迎う。
「でっかくなったな〜!」
尊命は大丈夫だったが、神威は大泣き。
「なんだよ、とーちゃんに似てんべ〜?」
紫亘サンとアッケは、それこそ双子みたいに似ている。
でも神威には分かるんだなぁ。
アッケの実家に着き、友梨恵サンにふたりを預けた。
やはり神威は後追いがひどかった。
「こちとら、4人育てたんだから!大丈夫よ、安心して行って来なって。」
私はお礼を言って、アッケのお母さんが待つ階下の美容院に行った。
用意してくれた振り袖は、モスグリーンとベージュのグラデーション。
「一見、地味でしょう?でもね着ると映えるのよ、こういうの。」
帯は金糸の刺繍の派手なものだった。
私には良く分からないが、バランスいいんだろうな。
「振り袖、着れると思いませんでした。」
4年前に、とっくに諦めていた。
「あら、今は関係ないわよ。結婚していたって。
やっぱり、振り袖の方が華やかだもんねぇ。」
お母さんは慣れた手つきで、着付けを済ませてくれた。
「メイクと頭は、あの子がやるんでしょう?」
「ハイ。」
「私がやりたいわ〜。化粧映えしそうね、ヒトミちゃん。」
そういえば最近、眉毛しか書いてないな…私。
「さ、じゃあ紫亘呼んで来るわね。」
これから、アッケとアーヤサンの待つスタジオに行く。
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