ひとりじめ
「なァなァ、どんなん!?赤子、どんなん!?」
病室で待っていたアッケは、分娩室で撮ってもらったポラロイドを眺めながら聞いて来た。
「未確認生物みたいだよ…。」
ヒイキ目に見ても、可愛いとは言えないぞ。
「ちょっと早かったしなァ、まだ人間ぽくないか。つか、お前ばっかずりィな〜。俺も早く見てェ〜!」
「あ〜っっっんれだけ!!」
私は力を込める。
「痛い思いしたんだから!私だけの特権だもん!!」
そうだな、と、私の頭を撫でてくれた。
「でもな、俺もしたぞ。」
と、左手首を私に見せる。
ひどい傷と、痣が出来ていた。
「なにコレ!どうしたの!?」
「だってヒトミたん、分娩台のバーじゃなくて俺の手を握ってたから。」
あ、そういえば…。
「言ってよ〜。」
「あんな大変そうな場面で、言える訳ねェって!」
ゴメ〜ン…。
そんな私は、なんかまだ実感ないなぁ。
ママになったのにね。
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