まず
「まだですよ、まだいきまないで!後3回、陣痛を逃して下さい。
今、人工破水させます。」
残り3回。
そうすれば、この痛みから解放される!
でも人工破水が痛くて、私は悲鳴を上げた。
赤ちゃんが下りてる所に指だか器具だかで、押し戻されたのだ。
そして無事、破水。
「切開しますね、安全にいきましょう。」
局部に麻酔を打たれ、パチンと数ヶ所切られた様だ。
なんでもいいから早くしてー!!
気が付くと、先生と同じような格好のアッケが私の手を握っていた。
「次、陣痛が来たらいきんで下さい。」
看護士さんがモニターを見ながら、陣痛の波をチェックしている。
「はい、2回深呼吸して。そしたらいきんで!」
私は指示通りにする。
「はい、いいですよ。楽にして、また深呼吸して。」
数回繰り返した後、股に違和感があった。
「なんか、なんか出た!」
麻酔のせいか、局部の痛みは全くない。
「赤ちゃんに決まってるでしょ〜。」
看護士さんは、ちょっと笑ってた。
「頭見えて来ましたよ、もう少し!」
先生が言う。
「目を閉じないで、おヘソ見て!声出さない!!」
助産士さんの厳しい指示。
次の瞬間、
ひとり目が誕生した。
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