嬉しさのあまり
「ん、あァ。切んゎ。」
アッケはピッと終了ボタンを押しながら、
「…どしたょ?」
不安そうな顔で聞いて来る。
「まだ、言わないで…。病院にも行ってないんだよ?
出来れば、安定期に入るまで…。」
私はあの喪失感が、忘れられずにいる。
「…ゴメン。」
彼は突っ立ったまま、申し訳なさそうにうなだれた。
「喜んでくれて、私もすごい嬉しいよ?
…でも。」
「いや、俺が全面的に悪い。
本当、ゴメンな。」
「アッケ、浮かれ過ぎ〜。」
「ハイ…。」
私は彼に飛び付き、イイコイイコしてあげた。
「落ち着いてよネ。」
「病院でテンパって、看護婦に暴力ふるった誰かさんには言われたかねェな〜。」
「え、あ、…知ってたのォ!?」
「有名だったぞ、俺ら。旦那は素行悪ィし、嫁は超おっかねェって!」
「ぅわ〜。恥ずかし…。」
でも私たちは、ヘラヘラ笑ってた。
「でさ、もっかいやってみってばょ。」
「だってでも…、もうないよ?検査薬。」
「んだよ〜。じゃ、買って来る。」
来週、病院行くつもりなんだケドな。
てか、スゴいね…。私でさえ、検査薬買うときはドキドキなのに。
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