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死に方の選択
「なんでアッケは、私に話してくれなかったの…?」

私はすごく悲しくなった。

「気持ちのやり場が、なくなるからだよ。
ヒトミちゃんの。」

「私の?」

「そう。」





曙覧が死んでたらね。






「アイツがもしこの事故で死んだとして、ヒトミちゃんはその母親や子供を恨む?」

「…分かんない。
でも、恨んじゃうかもしれない…。」




「それなら、問題ないんだけどね。

君は、恨まない。絶対に。」

龍二サンはまた煙草に火を着ける。

「アイツは、それを知ってるから。」

「…恨む方が問題なんじゃん?」

「いや。
それだったら、それが生きる気力になる。
例え復讐が目標でも。

誰かを恨みながらでも何でも、生きていられる。」



私はギクリとした。



「そういうヤツなんだ。

俺も昔、刺し殺されそうになった事がある。」


「え、なんで!?」




あんまり話しなくないなぁ、と龍二サンは笑いながら

「俺を自殺させるくらいなら、自分が殺してやる。
ってね。」

「自殺!?」


「ま、それは置いといて。

俺が死のうが生きようかが問題なんじゃなくて、
『結末』が問題だったの。」

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あきゅろす。
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