変わりに、自分が背負うから
アンタには関係ない。
子供にこんなモン絶対、背負わすな。
「って、血まみれで叫んでた。意味分かる?」
「え…。全然…。」
「事故扱いにしたら、結構大変な事になってたと思うよ。」
母親の監督不行き届き。
曙覧の前方不注意。
双方が道路交通法でどういう風に裁かれるかは、俺にも分からないけどね。
俺以外にも目撃者はいたし、「子供が突然飛び出して来た」って証言されたら曙覧はかなり有利だろうな。
「救急車にもすぐ乗らず、警察官にも物凄い勢いでブチ切れてた。
コケた本人が自爆だって言ってるだろ、って。」
「そのお母さんをかばったの…?」
「そう。
今回はヒトミちゃんも大変だっと思うよ…。
でもね、」
龍二サンは煙草を消しながら悲しそうな顔して、
「事故の事で、アイツを責めないでやってくれ。
頼む。」
私に、頭を下げた。
「ゴメンなさい…。」
私は、消え入りそうな声で謝った。
「あ、いや。事情、知らなかったんだし。
てゆーか、言うなって口止めされてたんだ。本当は。
俺がしゃべったの、内緒ね。」
なんで…?
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