修復不可能?
「遥たちは、どうしたら元に戻れると思う?」
「不可能。」
龍二サンは箸でカレーを食べながら、言い切った。(…器用な人だ。)
「尚登クンが、もう無理って事?」
「うん。」
「ソレ、仮に遥に不満があったとして、そこを直したとしたとしても無理なの?」
「俺なら、無理。」
「そう、なんだ…。」
「彼女自身、分かってたんじゃないの?
『男と女じゃ違う』って。」
え??何の話し?
「そう、言ってたでしょ。
男はヤるまでしか見てない、って。」
「え、あ、うん。言ってた。」
ま、性別で一括りには出来ないけどね。
付き合った時、男はまずそれを考える。
女は、常に『その先』を考える。
「ってパターンが多い訳。
俺の経験上。」
「…そーとー怨まれてそうな男だねぇ。」
「だろうねぇ。」
彼はカレーを食べ終わり、煙草に火を着けた。
「龍二サンて、純粋なのか不純なのか分かんないナ…。」
どうだろうね、と笑った後
「心は、誰にも捧げないよ。」
綺麗なその顔を悲しげに歪ませて、そう言った。
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