気持ちが、失くなる時
「そりゃ完全に、終わってるね。もう。」
「え、あ、でも…。
『別れないで』って言った遥に、彼氏は『うん』って言ったらしいよ？」
「まだ次の相手が見つからないからだよ、そんなの。」
「…遊びだったってコト？」
「さぁ？
最初からそのつもりだったかは、俺には分かんないけど。
今は、彼女に気持ちはないだろうな。
恋人としてはもちろん、単にエッチするだけの相手としても。」
私は腹が立った。
「ちょっとカッコイイからって…。」
龍二ｻﾝは「俺？」と、笑ってる。
「違う、尚登ｸﾝ！」
「ま、何にしても、
『付き合ってる』とかそんな口約束、意味ないよ。
『付き合って』いたって、気持ちがなくなればそこでカップルは終わりだ。」
「…そうなのカナ。」
「じゃあなんで、『結婚』するの？」
『なんで』？
結婚する、理由？
「制約、だよ。」
制約…？
「そう。
法律で制約しないと、一生同じ相手とは生きられない人間ばかりだから。」
…。
龍二ｻﾝ自身は、『制約しないとならない人間』に当て嵌まらないと思った。
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