夢うつつ 今夜はアッケが帰って来るまで、頑張って起きてよっと。 妊娠が判明した時になんで喜べなかったか、分かったんだ。私。 単に、『堕ろして欲しい』って言われるのが恐かっただけ。 ホントに、ただそれだけ。 拒否されるのが、恐かったんだ。 体が、浮いた気がした。 …夢? じゃない! 「何、ソファで寝てんだ。風邪ひくぞ。」 ベッドに寝かされた私は起き上がり、アッケにしがみついた。 「ん、どした?」 背中をトントンしてくれる。 「…うぅ〜んとね。」 「ん?」 「…分かんないケド。」 「あァ?」 「ずっと、一緒にいてネ。」 私は、なんか寝ぼけてるみたい。 自分でもなに言いたいのか忘れちゃった…。 「お前寝起き、めちゃめちゃ素だよな。」 アッケは優しくまぶたにキスをして、私はそのまま再び眠りについた。 [前へ][次へ] |