嬉しくない
私は無言で玄関を開け、立ちすくしていた。
「ぉわ、なんだ!送ってもらったんか?」
ポッキーをくわえたアッケが、出迎えてくれた。
「うん…。」
「食う?美味いで、コレ。」
「いらない…。」
「なんで、お前がしょげてんだ。」
なんで、って…。
…。
お前『が』??
私は顔を上げた。
でも、言葉が出て来ない。
ほーかほーか、と、アッケは私の頭を撫でる。
「ケジメ、取らせてやれよ。
お前を困らせようとしたんじゃねェよ。」
「…知ってたの?」
「あぁ、そりゃな。」
「なのに、なんで行っていいって言ったの!?
私だったら絶対ヤだ!!」
「だって、お前が惚れてんのは俺じゃんよ。」
「…それは、そうだけど。」
「ま、オトナの余裕〜♪」
「全然、妬かないんだ…。」
「…こんぐらいならね。耐えれる。」
アッケは真剣な顔をして、
「それ以上は、無理。」
俺んだって、限界はあるょと、苦笑いした。
なんとも、言い表せない気持ち。
全然、嬉しくないんだな…。
アッケ以外の人に、好きって言われても。
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