昨日
ヒナコは一緒に車まで来てくれた。
「こんにちわぁ。」
俺の兄貴に笑顔で挨拶する彼女。
「あ、こんにちは!凪斗の兄の慧斗です。」
その間、俺は後部座席にテレビを積み込んだ。
「凪斗!それのお礼、何かしたのかー?」
「あ、ううん。まだ。」
「じゃあ今度、一緒にご飯でも食べ行こうか。」
と、ヒナコを誘う兄貴。
「ヤダよ、兄貴となんか!」
「別に嫌ならお前は来なくていいぞ。いや、むしろ来るな。」
しっしっ、と、手を振る兄貴。
「はぁー!?」
「凪斗は嫌みたいだからふたりで行こうねー。」
「っざけんなよ!」
俺は叩きつけるように車のドアを閉めた。
「おっと、おっかねー。」
兄貴は車に乗り込む。
俺、ヒナコに聞きたい事があるんだよね…。
「ゴメン、にーちゃん。ちょっと待ってて。」
「あー、ハイハイ。ちゅーするぐらいなら待っててやる。」
「黙っとれ!」
俺はヒナコとちょっと車から離れた。
「昨日…さ。」
「うん?」
「誰とどこ行ってたの?」
ずっと、気になってたんだ…。
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