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「おぅ。」

委員会の仕事を終えたあたしは、昇降口で最上くんに会った。

「部活?大変だね、こんな時間まで。」

「ま、好きだし。」

泥だらけのスニーカーに足を突っ込み、照れたように少し彼は笑った。



「じゃあね。」

「家ってドコ?」

帰ろうとするあたしはそう聞かれて、3コ先の自宅の最寄り駅を教える。

「んじゃ通り道だし。チャリ、乗ってくか?」

「え?いいよ。あたし、かなり重いから!」

「いーって。その方が足、鍛えられるし。」



あたしは恥ずかしくなって断ったが、半ば強引に自転車の後ろに乗せられた。



「アハハ、パンクしたら責任取れよ。」

「だから、いいってば!」

きっとあたしは真っ赤だったと思うけど、夕日のおかげで気付かれてはいないだろう。

そう…願いたい。



道すがらに見る、仲良さげなカップルがしているように。



あたしは最上くんの自転車の後ろで、楽しくおしゃべりしながら帰路についた。



中学の時から、憧れていたっけ。

高校生になったら、彼氏にこうやって送ってもらいたいって。



…最上くんは、別に…彼氏じゃないんだけどね。

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