7
「おぅ。」
委員会の仕事を終えたあたしは、昇降口で最上くんに会った。
「部活?大変だね、こんな時間まで。」
「ま、好きだし。」
泥だらけのスニーカーに足を突っ込み、照れたように少し彼は笑った。
「じゃあね。」
「家ってドコ?」
帰ろうとするあたしはそう聞かれて、3コ先の自宅の最寄り駅を教える。
「んじゃ通り道だし。チャリ、乗ってくか?」
「え?いいよ。あたし、かなり重いから!」
「いーって。その方が足、鍛えられるし。」
あたしは恥ずかしくなって断ったが、半ば強引に自転車の後ろに乗せられた。
「アハハ、パンクしたら責任取れよ。」
「だから、いいってば!」
きっとあたしは真っ赤だったと思うけど、夕日のおかげで気付かれてはいないだろう。
そう…願いたい。
道すがらに見る、仲良さげなカップルがしているように。
あたしは最上くんの自転車の後ろで、楽しくおしゃべりしながら帰路についた。
中学の時から、憧れていたっけ。
高校生になったら、彼氏にこうやって送ってもらいたいって。
…最上くんは、別に…彼氏じゃないんだけどね。
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