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「若葉。おばさん、具合い悪い?」

中庭のいつもの場所に座り、あたしはお弁当を広げた。

「んー。何となく、ね。ダルいみたい。」



あたしと若葉は小学校からの幼なじみで、おばさんとも何回も面識がある。

去年大病を患い、それからちょこちょこ若葉のお弁当がない日があるのだ。



「でもちゃんと病院通ってるし。平気だよ。」

若葉とおばさんはそっくりで、やっぱり彼女も背は低い。

「そっかぁ…。なら、いいんだけど。」

そして全く同じ、優しい笑顔をあたしにくれる人。

「大丈夫だって!キオは実の娘のあたしより優しいな〜。」

ナデナデと、子供をあやすように頭を撫でられた。






「優しいって言えばさ〜、さっきの二階堂さん!」

「あ、うん。そうだね。」

「てゆーか、意外〜。」

若葉はカレーパンを食べ終わり、次の焼そばパンの袋を開ける。



「意外?」

言葉使いは悪いけど、あたしはマリンちゃんが『優しくない』と感じた事はない。

「うん。あたしに構うなんてさ。」

ますます意味が分からなくて、あたしは首を傾げる。






「ぶっちゃけ、嫌われてるっぽかったから。」

マリンちゃんと若葉に、そんなに接点がなかった気がする。

単にあたしが知らなかっただけなのだろうか。

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あきゅろす。
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